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帝王切開でもらえるお金~高額療養費・医療費控除などを徹底解説!~

帝王切開手術を受ける妊産婦さんがもらえるお金についてまとめました。

帝王切開の費用の記事に書いた通りで、帝王切開は健康保険適用(3割負担)となりますので、普通分娩と同じ程度の支払になるのが普通です。

ただ、帝王切開だと、普通分娩ではもらえないお金がいろいろもらえるんですよね。

結果としては、帝王切開の方がお安くなったり、黒字になったりする場合もあるみたいです。

以下にまとめましたので、どれがあてはまるか、参考にしてみてくださいね。

帝王切開でもらえる可能性のある5種類のお金

出産すると、出産育児一時金42万円が支給されます。
また、妊産さん本人がお勤め先で社会保険に加入している場合は、出産手当金が支給されます。

これは、普通分娩(健康保険適用とならない出産)の場合のお話。

帝王切開の場合には、さらにもらえるお金が増える場合があるんです。それが以下の5つです。

  1. 高額療養費の払戻金(健康保険適用分が高額になった場合)
  2. 入院給付金・手術給付金(民間保険会社の医療保険に入っている場合)
  3. 療養費付加金(福利厚生の良い会社の場合)
  4. 妊産婦医療費助成制度(一部の自治体)
  5. 医療費控除還付金(確定申告対象となる場合)

詳しくご説明していきます。

1 高額療養費の払戻金

どんな人がもらえる?

高額療養費の払戻金は、保険診療が高額となった方がもらえます。

高額療養費は、保険診療が一定額を超えた場合に、それを超えた部分が健康保険組合から払い戻される制度です。

「一定額」は、子育て世代の場合、「8万数百円を超えた部分」となることが大半ですが、所得により変わってきます。

区分年収ひと月の上限額(世帯ごと)
年収約1,160万円~
  健保:標準報酬月額83万円以上
  国保:所得901万円超
252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770~約1,160万円
  健保:標準報酬月額53万~79万円
  国保:所得600万~901万円
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370~約770万円
  健保:標準報酬月額28万~50万円
  国保:所得210万~600万円
80,100円+(医療費-267,000)×1%
~年収約370万円
  健保:標準報酬月額26万円以下
  国保:所得所得210万円以下
57,600円
住民税非課税者35,400円
※この表は、70才未満の場合です。70歳以上の場合はさらに軽減がありますが省略しています。

MEMO
年収は、1~7月は前々年のもので判断します。8~12月は前年のもので判断します。
 
共働きでそれぞれ健康保険に入っている場合は、本人(妻)のもので計算します。
妻が夫の健康保険の扶養に入っている場合は、夫の年収で計算します。

保険診療額はどこを見ればわかる?

高額療養費制度の対象となる保険診療額は、医療費の領収証の「保険診療」の「患者負担額」の欄に書いてあります。

帝王切開費用の保険診療額を確かめる方法

ここが8万100円を超えていたら(正確には「80,100円+(医療費-267,000円)×1%を超えていたら」)、高額療養費として払い戻しがあります。

所得の少ない方は、57,600円、35,400円を超えていたら対象となります。

高額療養費の払戻金をもらう方法は?

高額療養費の対象となった場合には、加入している健康保険に申請することで、払戻金を受け取ることができます。

限度額認定証の利用も

高額療養費はあとで払い戻してもらえるとはいえ、退院時に大きな金額となると困る場合もあると思います。
また、出産後の忙しい時期に、申請用紙を書いたり、領収証をコピーしたりするのは大変です。

そのような場合は、退院前に健康保険から「高額療養費適用認定証」と呼ばれる書類を取り寄せておくと役立ちます。

高額療養費適用認定証を病院窓口に提示すると、高額療養費の上限額(8万数百円程度)を超える保険診療分の支払いが免除されます。

帝王切開で高額療養費制度は使える?出産費用の仕組みと限度額認定証のメリット
注意
適用認定証により、保険診療分の上限は8万円程度になりますが、窓口での支払総額は必ずしも8万円とはならないことに注意が必要です。
 
出産の入院のさいには、新生児管理料、食事療養費、個室料、分娩料など、健康保険対象外の費用が多くかかってくるためです。結局、帝王切開の場合の支払は、その病院の普通分娩の費用とほぼ同額になる場合がほとんどです。

2 入院給付金・手術給付金

どんな人がもらえる?

入院給付金・手術給付金は、民間の保険会社の医療保険に入っていた方がもらえます。

帝王切開で入院手当金・手術給付金はいくらもらえる?

加入している医療保険の内容によりますが、10万~20万円程度の金額となるのが普通です。

たとえば、コープ共済の医療保険の場合、帝王切開の給付金は60,000円。入院給付金とあわせて15万円となります。

詳しい金額はこちらの記事で計算しています。

妊娠したらは医療保険は必要?~妊婦が損しない医療保険の入り方とは~

帝王切開で入院手当金・手術給付金をもらう方法

保険会社から医療保険の入院手当金・手術給付金をもらうためには、保険会社に診断書を添えて請求することが必要です。

保険会社に連絡して診断書用紙を取り寄せ、退院前にお医者さんに書いてもらうのがスムーズです。

なお、診断書には数千円(病院によって金額は異なる)の文書料が必要となります。

帝王切開が決まった!今から医療保険に加入すれば入院手当金・手術給付金はもらえる?

この記事をお読みの妊婦さんの中には、すでに帝王切開となることが決まっている方もおられることと思います。

「入院手当金・手術給付金がもらえるなら、今から医療保険に加入したい!」と思われる方もおられるかもしれません。

しかし残念ながら、すでに帝王切開手術の決まっている妊婦さんは、医療保険に加入しても今回の妊娠では入院手当金・手術給付金は支払ってもらえません。

ごくまれに、妊婦が加入でき、その回の妊娠から保証対象となる医療保険がありますが、妊娠経過に異常がないことが条件となっています。

妊婦さんが加入できる医療保険については、こちらの記事で詳しくご説明しています。

妊娠中(妊婦さん)でも入れる医療保険はこの4つ!

3 療養費付加金・入院付加金

どんな人がもらえる?

療養費付加金・入院付加金がもらえるのは、この制度をもつ健康保険に加入している方です。

療養費付加金・入院付加金は、保険診療分が高額となった場合に一定金額を超えた分を払い戻してくれる制度です。
入院1日あたり定額を支給する場合もあります。

名称は、療養費付加金・一部負担金払戻金・家族療養費・入院付加金などさまざまですが、福利厚生の良い一部の健保で導入されています。

療養費付加金・入院付加金はいくらもらえる?

療養費付加金・入院付加金の額は健康保険により異なります。

関東ITソフトウェア健康保険組合の付加給付の例
同一人が同一月に同一保険医療機関等(「入院」、「外来+調剤」)それぞれの自己負担額から20,000円を控除した額が一部負担還元金(本人分)または家族療養費付加金(家族分)として給付されます。ただし、高額療養費の額は自己負担額からあらかじめ差し引きます。
私学共済の付加給付の例
引き続いて5日以上入院したとき、入院1日につき、加入者には500円(入院付加金)、被扶養者には400円(入院付加金)が支給されます。

私の場合

私の夫が当時勤めていた会社では「家族療養費付加金」というのがあり、保険診療分の自己負担は2万5000円が上限とされていました。そのため、保険分の自己負担(8万1385円)のうち、25000円を超えた、5万6385円が夫の口座に払い戻されました。

4 妊産婦医療費助成

どんな人がもらえる?

妊産婦医療費助成金がもらえるのは、この制度をもつ自治体にお住まいの方です。

妊産婦が健康保険の必要な処置を受けた場合、費用を助成してくれる仕組みが一部の自治体にあります。

お住まいの自治体名で、「○○市 妊産婦医療費助成」と検索してみてください。

宇都宮市の妊産婦医療費助成制度の例
宇都宮市に在住の(住民票がある)妊産婦さんが、健康保険が適用になる診療を受けた場合の医療費(自己負担分)を市が助成する制度です。ただし、医療機関ごとに入院・外来別で月額500円の自己負担があります。
 
出典 妊産婦医療費助成制度|宇都宮市

妊娠・出産でなんらかのトラブル(切迫、帝王切開、貧血、つわり、血圧異常など)があり、薬が処方されるなど、健康保険を利用すると、その費用が払い戻されるというものです。(異常がなく、妊婦健診券で済んでしまった場合は、費用負担があっても対象になりません。)

自治体により制度内容に差が大きいですが、もし利用できるのでしたらとてもお得です。

妊産婦医療費助成をもらう方法

妊産婦医療費助成をもらうためには、市区町村の窓口に領収証等を添えて申請します。

5 医療費控除還付金

どんな人がもらえる?

医療費控除の還付金がもらえるのは、ご家庭の医療費が10万円をこえた方です。

医療費控除とは、1月~12月に支払った医療費が10万円を超えた場合に税金が安くなる制度です。
(総所得金額が200万円以下の場合は「総所得金額の5%を引いた額」となります。)

医療費控除の対象として合算されるのは、帝王切開のための入院費用・出産費用はもちろん、保険診療とならない妊婦検診の費用、通院のための交通費、薬局で買ったカゼ薬まで含みます。

妊娠・出産で医療費控除の対象になるもの(まとめ)

医療費控除の還付金はいくらもらえる?

医療費控除の還付金は、多くのご家庭で以下の金額となります。数千円~数万円だと思います。

(かかった医療費-10万円)×15%~30%

総所得金額が200万円以下の場合は、医療費控除の還付金は以下の金額となります。

(かかった医療費-総所得金額×5%)×10%~20%

年収ごとの具体的な還付額の早見表をこちらの記事で公開しています。

医療費控除とは?いくら戻る?還付金額をカンタンに計算する方法

医療費控除の還付金をもらう方法は?

医療費控除で国税還付金をもらうためには、支払った翌年の1月~3月に税務署に確定申告することが必要です。

確定申告は、税務署を訪問するほか、郵送やパソコンでもすることができます。

わが家の場合

わが家の場合は、出産の年に44万5529円の医療費を支払い、3万円程度の還付を受けました。
また、翌年6月からの住民税が3万円/年ほど安くなっています。

切迫早産での入院の場合も同じです

切迫流産、切迫早産で入院された方も、ここに挙げたお金を受け取れます。

切迫での入院は、健康保険が適用されるためです。

まとめ

妊娠、出産では何かとお金がかかりますが、帝王切開・切迫早産など健康保険適用となる医療費を支払った場合は、もらえる可能性のあるお金が増えることが分かりました。

これ以外に、普通分娩でもらえる以下の費用も当然支給されます。

  • 出産育児一時金(全員、42万円)
  • 出産手当金(妊産婦本人が社会保険に加入している場合)
  • 勤務先の出産祝い金(会社互助会などで出産祝い金が規定されている場合)

この記事で挙げたお金は、いずれも出産後に自分で申請しなければ受け取ることができません。

ご自分に適用されるかどうかよく確認のうえ、忘れず申請なさってくださいね。

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