医療費控除とは?いくら戻る?還付金額をカンタンに計算する方法

年間10万円を超える医療費を支払った場合、医療費控除の確定申告をするとお金が返ってきます。

でも、「医療費控除でいくら帰ってくるのかな?1000円ぐらいなら面倒だしいいや」

と思われる方もおられるのではないでしょうか?

そこで、医療費控除で帰ってくる金額をカンタンに計算する方法をご紹介します。

医療費控除とは

医療費控除って何?

医療費控除とは、1年間で多額の医療費を使った場合に、税金が安くなる仕組み。

医療費控除の対象になる金額は、医療費から保険金などで補填された額から10万円を引いた額です。(総所得金額が200万円以下の場合は総所得金額の5%を引いた額)となります。引ける上限額は200万円です。(所得税法73条「医療費控除」)

「医療費は人が生きるためにどうしても必要な費用で、医療費を使うとふだんの生活に使うお金が不足するだろう。税金を払う余力(担税力)も減っているだろうから、税金を減らしてあげよう」という考え方が背景にあります。

「医療費」とは、その年の1月1日から12月31日までにかかった医療費(病院、歯科医でかかった金額、薬局で購入した市販薬などの費用)で、出産費用、妊婦検診費用も含まれますが、予防接種費用は含まれません。詳しくはこちらにまとめています。

妊娠・出産で医療費控除の対象になるもの(まとめ)

自分の分だけではなく、家族(生計を一にする親族)の医療費を合算することもできます。

医療費控除で税金が安くなる仕組み

医療費控除は「かかった医療費がかえってくる」と誤解されていますが、実際は「税金が安くなる(戻ってくる)」仕組みです。

税金というのは、給料全額に対してかかるものではなく、さまざまな控除を受けた残りの金額(課税所得)に対して、税率をかけて計算されます。

医療費控除は「所得控除」のひとつです。
この図のように、課税所得が減ることによって、税金が安くなるのです。

サラリーマンの場合、会社が税金を計算して毎月の給料を支払ってくれています。
でもその計算のさい、医療費控除は考慮していないので、あなたが「所得税を払いすぎ」の状態になっているのです。

その税金を取り戻す手続きが、翌年の確定申告です。

(正確には、今年払いすぎた所得税を取り戻し、翌年6月以降の住民税を安くしてもらう手続きです。)

医療費控除を受ける手続きは確定申告

確定申告は、医療費を支払った翌年の2月中旬~3月中旬に税務署で行います。郵送やインターネット申告も可能です。

2018年分(平成30年分)の場合は、2019年(平成31年)2月18日(月)から3月15日(金)です。

ただし、医療費控除の確定申告だけであれば、翌年の1月1日から5年後の12月末まで提出可能です。

確定申告がいつまでか、詳しくはこちらに書いています。

確定申告はいつからいつまで?~3月16日以降でもOK!期限後の確定申告~

医療費控除の還付額早見表

それでは、医療費控除で実際にいくら税金が戻ってくるんでしょう?
おおよその額が知りたいという場合は、こちらの表をどうぞ。

共働き家庭の場合(=妻が扶養外)

年収(額面)医療費控除
発生最低額
支払医療費
5万10万15万20万25万30万
軽減される税額
110万22,5004,12511,62519,12526,62534,12541,625
130万32,5002,62510,12517,62525,12532,62540,125
200万61,00005,85013,35020,85025,72535,850
250万78,50003,22510,72518,22523,10033,225
300万96,00006008,10015,60022,50030,600
350万100,000007,50015,00022,50030,000
400万100,000007,50015,00025,25030,000
450万100,0000010,00017,75030,00032,750
500万100,0000010,00020,00030,00040,000
550万100,0000010,00020,00030,00040,000
600万100,0000010,00020,00030,00040,000
650万100,0000010,50020,50030,50040,500
700万100,0000015,00030,00045,00060,000
750万100,0000015,00030,00045,00060,000
800万100,0000015,00030,00045,00060,000
850万100,0000015,00030,00045,00060,000
900万100,0000015,00030,00045,00060,000
950万100,0000015,00030,00045,00060,000
1000万100,0000015,00030,00045,00060,000

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専業主婦家庭の場合(=妻が扶養内)

年収(額面)医療費控除
発生最低額
支払医療費
5万10万15万20万25万30万
軽減される税額
110万000000
130万000000
200万61,00005,85013,35020,85028,35035,850
250万78,50003,22510,72518,22525,72533,225
300万96,00006008,10015,60023,10030,600
350万100,000007,50015,00022,50030,000
400万100,000007,50015,00022,50030,000
450万100,0000010,00020,00030,00040,000
500万100,0000010,00020,00030,00040,000
550万100,0000010,00020,00030,00040,000
600万100,0000010,00020,00030,00040,000
650万100,0000015,00030,00045,00060,000
700万100,0000015,00030,00045,00060,000
750万100,0000015,00030,00045,00060,000
800万100,0000015,00030,00045,00060,000
850万100,0000015,00030,00045,00060,000
900万100,0000015,00030,00045,00060,000
950万100,0000015,00030,00045,00060,000
1000万100,0000015,00030,00045,00060,000

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早見表ご利用のさいの注意点

早見表ご利用のさいには以下の点にご注意ください。

  • 「支払医療費」は、10万円を引く前の金額です。
  • 「軽減される税額」は、「還付される所得税」+「来年安くなる住民税」の合計額です。
  • 簡易計算ですので、実際の金額とはズレる可能性があることをご了承ください。(社会保険料を一律15%としているためです。)
  • 生命保険料控除、寄付金控除(ふるさと納税)、住宅ローン控除等なしで計算しています。
  • 妻が扶養内でも、パート(38万円以上103万円未満の収入)の場合は還付金額が数千円減る場合があります。
  • 16歳以上の子のいる家庭では還付金額が数千円減る場合があります。

医療費控除の返金額の詳しい計算方法

より正確に控除額を計算したい場合は、以下の通りです。

  • STEP.1
    医療費の合計額を計算
    領収証で医療費・交通費などの合計額を集計します。
    この数字を「A」とします。
    >>妊娠・出産で医療費控除の対象になるもの(まとめ)
  • STEP.2
    源泉徴収票を準備
    職場から12月末~1月にもらった源泉徴収票を準備します。

  • STEP.3
    所得金額計算
    課税所得金額を計算します。

     

    課税所得金額=給与所得控除後の金額-所得控除の額の合計額

     

    源泉徴収票を見てみてください。

     

     

    「給与所得控除後の金額」はオレンジの欄です。
    「所得控除の額の合計額」は黄色の欄です。

  • STEP.4
    所得税率を確認
    自分に適用される所得税率を確認します。

     

    STEP3で出した「課税所得金額」は次のどこにあてはまりますか?

     


    (表は所得税の税率|国税庁より)

     

    あてはまる税率をメモしてください。(この数字を「B」とします。)

  •  
  • STEP.5
    税額を計算
    減額される所得税額、住民税額を計算します。

     

    所得税額=(医療費(A)-10万円)×所得税率(B)

     

    →この金額が、確定申告の数週間後に銀行口座に振り込まれます。

     

    住民税額=(医療費(A)-10万円)× 10% (※住民税率は一律10%)

     

    →この金額が、その年の6月から支払う住民税に反映され、少し安くなります。

     

    これが、医療費控除により返還を受けることのできる額となります。

※所得税率については、「超過累進税率」という仕組みが採られています。
そのため、課税所得金額が各税率の最小金額(195万、330万など)をわずかに超える金額の場合は、「所得税額=(医療費(A)-10万円)×所得税率(B)」では正確な減税額が計算できません。
たとえば課税所得金額200万円、医療費総額20万円の場合は、10万円が医療費控除の対象となり、5万円×10%+5万円×5%=7500円が医療費控除による所得税還付額となります。

※総所得金額等が200万円未満の人(目安として収入310万円程度)は、医療費総額が10万円未満であっても、総所得金額等の5%が医療費控除の対象となります。

医療費控除の還付金はいつもらえる?

医療費控除の還付金が戻ってくるのは

所得税 → 確定申告の2週間後~2か月後

住民税 → その年の6月からの給料の天引きが少し安くなる

という形になります。

保育園・幼稚園の保育料も安くなる!

医療費控除の結果、住民税が安くなりますので

  • 保育園の保育料
  • 一部の幼稚園の保育料(子ども・子育て支援新制度により、所得に応じた保育料になっている幼稚園)

といった、子育て費用も安くなります。

(保育料は「住民税〇〇円以上〇〇円未満の場合は保育料〇〇円」と幅をもって設定されているので、区分が変わらず、安くならない場合もあります。)

医療費控除に関する情報はこちらでまとめています。

医療費控除と確定申告の記事一覧

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