共働き家庭は年末調整に要注意!退職・育休時に配偶者控除でトクする方法

今年に入って出産のため退職された妊婦さんや、育休取得中の方のいるご家庭は、数万円トクするかも?という情報です。

年収201万6000円未満が条件ですので、当てはまりそうな方はチェックしてください!

年末調整で要チェック!

10月末~11月になると職場で年末調整の書類が配られると思います。

「給与所得者の配偶者控除等申告書」という書類を出す手続きです。

給与所得者の配偶者控除等申告書

この書類によって税金の計算が行われますが

  • 共働きのご家庭で
  • 奥さんの退職や育休取得で給料が201万円未満になっている

という場合は、旦那さんの年末調整で税金が数万円減る可能性があります。

配偶者控除(配偶者特別控除)という仕組みがあるためです。

注意
配偶者控除・配偶者特別控除の仕組みはH30年(2018年)に大きく変わりました。この記事はH30以降の税制にあわせた最新版です。

配偶者控除ってなに?

配偶者控除(配偶者特別控除)とは、妻(夫)を扶養している場合には、税金を安くしてもらえるという制度です。
(この記事では、妻が育休・退職で控除対象になるというパターンでご説明します。)

税金って、1年間のお給料から、控除金額(年金、健康保険など)を差し引いたうえで、税率を掛けて計算されます。

配偶者控除が受けられると、この控除金額が増えるんですね。

一般的な子育て家庭では、所得税額は5%~20%だと思いますので、妻が扶養に入ると、年間数千円~10万円程度税金が安くなる計算に!

ざっくり計算すると、以下の通りです。

妻の給与が103万円以下の場合
配偶者控除が受けられます。
夫の税金が5万円~10万9000円程度安くなります。

計算方法

所得税:△1万9000円~7万6000円(控除額38万円×税率5%~20%)
+
住民税:3万3000円(控除額33万円×税率10%)

妻の給与が103万円を超え201万円未満の場合
配偶者特別控除が受けられます。
夫の税金が数千円~10万9000円程度安くなります。

計算方法

所得税:△数千円~7万6000円(控除額は段階的に3万円~38万円×税率5%~20%)
+
住民税:△数千円~3万3000円(控除額は段階的に3万円~33万円×税率10%)

※夫の合計所得金額 900 万円以下(給与収入1120万円以下)が条件です。900万円を超えた場合も、所得1000万円以下であれば控除を受けられる可能性があります。

配偶者控除と配偶者特別控除H30以降
国税庁|配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しについて

妻の収入の計算方法

「妻の収入が201万6000円未満」とはいっても、どの収入が対象になるのでしょう。

分かりにくかったので調べてみました。

Q1 いつからいつまでの収入が対象ですか?

A1 配偶者控除(配偶者特別控除)の対象となる妻の収入は、今年1月1日から12月31日までに支給されたものです。

Q2 給与は、手取りですか? 額面ですか?

A2 額面(税込み)で判定します。

Q3 失業手当、育休手当(正確には「求職者給付」「育児休業給付」)は所得に含まれますか?

A3 含まれません。(雇用保険法 第12条)

[参考] 配偶者手当QA4、6|国税庁

Q4 出産育児一時金(42万円)や、健康保険の出産手当金は所得に含まれますか?

A4 含まれません。(健康保険法 第62条)

[参考] 配偶者控除QA5|国税庁

Q5 医療保険の払戻金を受け取ったときは所得に含まれますか?

A5 含まれません。(所得税法施行令第30条の「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」にあたるため。)

Q6 通勤手当、出張手当は所得に含まれますか?

A6 含まれません。ただし、通勤手当が月15万円をこえた場合は課税されます。(所得税法第9条)

[参考] 給与所得の範囲|国税庁

Q7 会社規定でもらった出産祝い金は所得に含まれますか?

A7 含まれません。(所得税法基本通達25-8)

[参考] 給与所得の範囲|国税庁

Q8 宿直料、日直料といった手当は所得に含まれますか?

A8 含まれません。(所得税法基本通達25-1)

[参考] 給与所得の範囲|国税庁

Q9 医療費控除や生命保険料控除によって、所得を減らすことはできますか?
(=額面給与203万円で、生命保険料控除が4万円だった場合、配偶者特別控除の対象になりますか?)

A9 できません。「合計所得金額」を基準に判定しますので、源泉徴収票の「支払金額」の欄を見てみてください。「支払金額」が201万6000円を超えていたら対象になりません。

 

というわけで、すでに退職済みで源泉徴収票をもらった方は、源泉徴収票の「支払金額」の欄を見ればOKです。

源泉徴収票の支払金額欄

育休中の方は、給与明細を見て、通勤手当や出張手当を除いた額を合算してみてください。

これが201万6000円未満であれば、年末調整で税金がかえってきます!

年末調整記入方法~「所得の見積額」はどう計算する?~

さて、年末調整の書類「給与所得者の配偶者控除等申告書」には具体的にどう書けばいいのでしょう。

H30から様式が大きく変わり、記入が一気に難しくなってしまいました。

まずは上から。

・氏名
・住所(居所)
・個人番号

を記入します。

その次が問題ですね!

いきなり「あなた(夫)の本年中の合計所得金額の見積額」を聞かれます。

H30から、年収が高い場合は配偶者控除を受けることができなくなったので、このような記入欄ができました。

今年の所得なんて、12月のボーナス支給まで正確には分からない金額なのに、こんなの聞かれて困りますね。

ただ、
所得900万円を超える場合
所得950万円を超える場合
所得1000万円を超える場合

で判定が異なるということなので、所得900万円(年収1120万円)を超えないことが確実でしたら、あまり神経質にならなくて大丈夫です。

合計所得金額900万円(年収1120万円)を超えない場合

合計所得金額が900万円(年収1120万円)を超えないことが確実な場合は、旦那さんの去年の源泉徴収票を持ってきて、「給与所得控除後の金額」という欄を見てください。

源泉徴収票の給与所得控除後

今年の給与が大きく変わらないなら、この数字を「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」の欄に書いてしまってOKです。

そして、「判定」欄にチェックを入れ、判定の記号を書きましょう。

源泉徴収票のあなたの所得

所得の内訳も書いておきましょう。
こちらは年収600万円の場合の例です。

あなたの合計所得金額

夫の年収1120万円~1220万円の場合

旦那さんの年収が1120万円(合計所得金額900万円)~1220万円(合計所得金額1000万円)の場合はすごく迷いますね!

ただ、会社からの給与以外に収入がない場合は、この欄は間違っていても、職場の年末調整担当者の方が直せますのであまり問題ありません。

念のため、こちらが合計所得金額の早見表です。

配偶者控除等申告書の所得控除早見表

給与以外に収入のある旦那さんの場合

それでは、不動産収入や副業の収入があって、給与とあわせると1200万円ぐらいになる旦那さんの場合は、扶養控除等申告書で年収の選択欄を間違っては大変・・・!

と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。

そういった方は、他の収入を確定申告することになるので、年末調整で間違ってしまっても確定申告で修正すれば十分なんです。

配偶者(妻)の所得を計算する

さて次に、控除対象配偶者の欄にうつります。ここですね。

年末調整の控除対象配偶者欄

以下の情報を記入してください。

・氏名
・個人番号
・生年月日

妻が海外在住の場合の記入欄もあります。
(親族関係書類と送金関係書類の添付が必要になります。)

・非居住者である配偶者:海外在住であれば「〇」を記入
・生計を一にする事実:海外在住であれば送金額等を記入

さて、次に「配偶者の本年中の合計所得金額の見積額」という欄が出てきますね。

年末調整の配偶者の所得見積額

ここに書く金額ですが、さっき見た源泉徴収票の「支払金額」をそのまま書いてはいけないんです!

面倒ですが、以下の早見表から「合計所得金額」を計算する必要があります。

収入(=支払金額)
配偶者の合計所得金額
1,030,000円以下 38万円以下
1,030,000円超
1,500,000円以下
38万円超 85万円以下
1,500,000円超
1,550,000円以下
85万円超 90万円以下
1,500,000円超
1,550,000円以下
85万円超 90万円以下
1,550,000円超
1,600,000円以下
90万円超 95万円以下
1,600,000円超
1,667,999円以下
95万円超 100万円以下
1,667,999円超
1,751,999円以下
100万円超 105万円以下
1,751,999円超
1,831,999円以下
105万円超 110万円以下
1,831,999円超
1,903,999円以下
110万円超 115万円以下
1,903,999円超
1,971,999円以下
115万円超 120万円以下
1,971,999円超
2,015,999円以下
120万円超 123万円以下
2,015,999円超 123万円超(控除なし)

「配偶者の合計所得金額(見積額)」の欄にも、先ほど計算した額を書いておきましょう。

配偶者控除等申告書の配偶者の所得欄

この金額ですが、迷われたら少し大きい金額を書いておかれることをおすすめします。

というのも、年末調整で書いた金額が、結果的に間違っていた場合には、確定申告で修正する必要が出てくるんです。

妻の年収を高めに書いておき、税金を納めすぎになってしまった場合であれば、5年後までに税務署に問い合わせて、確定申告をすれば、税金を返してもらえる、というだけの手続きで済みます。
(平成30年分の収入については、平成35年12月31日まで確定申告が可能です。)

いっぽう、妻の年収を低めに書いて、年末調整で計算された税金では足りなくなった場合には、翌年2~3月に必ず確定申告しなければなりません。

確定申告を忘れていると、翌年秋ごろに税務署から会社に連絡が入り、不足分の税金を徴収されるだけでなく、延滞税まで支払うことになってしまいます。これは絶対に避けたいですね。

というわけで、配偶者の合計所得金額欄に201万5999円以下の金額を書き、旦那さんの勤務先に提出すれば自動的に税金が安くなります。

税金はいつから安くなるの?

さて、配偶者控除・配偶者特別控除を申請して安くなった税金はいつ戻ってくるんでしょうか?

所得税

所得税については、その年の12月の給与か、翌年1月の給与と一緒に返ってきます。

住民税

住民税については、翌年6月からの税金が安くなるという形で返ってきます。

5年前まで遡れます

これを読まれて、「昨年育休をとったのに、申請を忘れた!」と気づかれた方もおられるかもしれません。

H29以前の場合は、年収141万円以下で配偶者特別控除、年収103万円以下で配偶者控除が受けることができました。(H30以降とは違いますので要注意です!)

過去の分も、税務署に行けば遡って配偶者控除・配偶者特別控除を受けることができますので大丈夫です。

(今(H30年10月現在)でしたら、平成25年分まで遡って修正できます。平成25年分の修正の期限は、確定申告していた場合は5年後(平成31年)の3月15日まで、確定申告していなかった場合は、4年後(平成30年)の12月31日までです。)

数万円のお金が戻ってくるチャンスです。
よく調べて忘れず申告してくださいね。

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