出産する病院(産院)の選び方について、私の経験をまとめました。
二人の子を出産し、病院の選び方についてはいろいろと思うところがあります。
東京在住ですが、病院ごとの雰囲気の違いは、他の地域で出産される方にもご参考になるかもしれません。どうぞご覧ください。
もくじ
妊娠検査から即出産予約が常識!?
妊娠したかも・・・と思ったとき、まず考えるのは「どの病院(産婦人科)にかかるか」ということですよね。
私は、ただの生理不順だと思い、軽い気持ちで産婦人科に行ったら、すでに妊娠6wでした!
初診のエコー検査で心拍確認となり、そのままの流れで次の妊婦検診の予約をを入れられてしまいました。
おまけに、こんなふうに看護師さんにせっつかれてしまいました。
助産師さん
ついでに、出産費用の説明を受け、出産予約の方法を書かれた紙をもらいました。
この時点で、もうびっくりで、状況に頭がついていいませんでした。
「出産受付数を制限している産婦人科がある」なんて、考えてもみなかったです。
帰宅してからあわてて調べて、ほとんどの産婦人科(一部の総合病院を除く)では分娩の取扱数に制限があることを知りました。
東京では、早い時期にお産の予約をしなければ、出産できる病院が見つからないという状態になるということも書かれていました!
東京で出産した知人もおらず、どうしたらいいのか、途方にくれつつ母子手帳をもらいにいきました。
「東京では早く産婦人科を予約しなければ出産できなくなる」は本当?
さきほども書いたとおり「東京では、早く予約しなければ出産できる産婦人科がなくなる」とよく聞くのですが、本当でしょうか?
これ、半分は本当ですが、半分は嘘です。
大学病院、公立病院を中心に、分娩数に制限のない産婦人科は多数あります。
東京都内で分娩制限(出産取扱件数の上限)がない産婦人科【一覧】ですので、「東京では、妊娠初期に予約しなかったら、どこでも産めなくなってしまう」なんてことは絶対にありません。
ただ、人気のある病院は、9週頃に予約が埋まってしまうということも、よくあるようです。
「人気のある病院」というのは、東京の場合、以下のような病院ですね。
・入院設備が豪華(新しい)
・料理が豪華
・アロマテラピーなどのオプションサービスがある
・出産費用が高い
私が妊娠検査で行った病院も、そういうゴージャスな産婦人科でした。
自宅から近く、以前、生理痛で一度受診したことがあったので、そうとは知らず、ふらっと行ってしまいました。
その後、母子手帳をもらいに行った区役所で、保健師さんと話していて、
保健師さん
私
保健師さん
みたいなやりとりをしていて、「このあたりでは一番お高くてゴージャス」というのを匂わされ、「え?そういう格付けがあるんだ!?」と初めて知ったのでした。
産婦人科選び体験記(第一子)
「適当でいいよ」の落とし穴
自宅に帰ってから一人、理由もなく不安になってきました。
妊婦検診だけで8,000円もかかったのですが、それがショックだったんですよね。
(あとになって、初診8,000円は病院の豪華さにはあまり関係がないと知るのですが・・・。→「妊娠したら初回の受診費用はいくらかかる?節約のコツを公開!」)
家計に余裕があるわけでもないのに、70万円も払って、ゴージャスな設備に泊まる必要はあるのかな?という疑問もあります。
はっきり言って私、「どこで産んでもいいや」と思っていたんですよ。
自宅付近には大学病院を含め、たくさんの産婦人科がありました。候補として挙がったのは7件程度。
みなさん、設備や口コミから病院を決められるものだと思うのですが、私は、「出産って盲腸の手術なんかと一緒でしょ。医療行為なんだから、どこで産んだって本質的には同じでしょ」と思っていたんですよね。
お産の場所や設備にはあまりこだわりはなく、セレブ産院への憧れもありませんでした。
大学病院は候補から外した
ただ、こだわりがなかったとはいえ、大学病院はなんとなく避けました。
夫が「大学病院はダメだよ!研修医に縫われるよ!」と言うんですよね。
(失礼な発言で申し訳ありません。。。)
確かに、以前、大学病院の眼科にかかったことがあったのですが、主治医の周りに見習い学生がずらっと並んでノートをとっていた記憶があります。
妊婦健診は内診もあるので、人がわらわらいるのは落ち着かないかもしれません。
それに、大学病院は、「重病の人が紹介を受けて受診するところ」というイメージがあり、「私なんかが利用しては申し訳ない。。。」みたいな遠慮もありました。
(実際には、都内の大学病院には、順天堂大学病院のように、セレブ産院として人気の病院もあり、このイメージはあてはまらないということを後から知りました。)
すでに分娩予約を締め切っている産婦人科も
電話で問い合わせたところ、すでに満員で分娩予約を受け付けていない、という産婦人科もありました。
個人経営の、ちょっとゴージャスな産婦人科でした。
でも、まだ6週なんですよ!? びっくりしてしまいました。
一番安い病院に決定
それぞれの出産費用を調べて、結局、一番安い、病棟も質素な雰囲気の病院にかかることにしました。
出産費用は45万円程度。私立の総合病院でした。
自宅から一番近く、徒歩で行けるというのもポイントでした。
しかし、お産をする病院を、下見もせずに決めたことは私にとって大失敗だったということをあとから痛感することになります。
総合病院での妊婦検診で違和感も
選んだ私立総合病院は、ときどき「あれ?」と思うことはあったけれど特に不満も疑問もなく通院していました。
ちなみに「あれ?」と思ったのは、22週目の体重測定のときですね。
妊婦検診ではいつも、服を脱がずに測定するのですが、夏のあいだはずっと同じ、ペラペラのワンピースを着ていっていたんです。
(意味もなく体重が増減しては困ると思ったので・・・)
秋になって肌寒くなり、少し厚手のジャンパースカートに替えて妊婦検診に行きました。
すると、
こんなふうに助産師さんに聞かれたんです。
でも、そんなに大きく増えているはずはありません。自宅で洋服なしで毎日測っています。
笑われてしまいました。
なんて、流されてしまいました。
「最後まで話を聞いてくれ~!!!」と思いましたが、まあ、助産師さんも忙しいですし、「自宅で服の重さをわざわざ計ってから来た」と説明するのも、神経質すぎて恥ずかしい気がして、あまり気にしないことにしました。
この病院では、妊娠9週から26週までの妊婦検診を受け、5回の健診で計31,080円を支払いました。
妊婦検診費用について詳しくはこちら >>「妊婦健診でかかった費用~12回で10万円!~」
入院病棟見学でショック
27週目、入院病棟の見学に行きました。
それまでも見学日はあったのですが、なかなか予定が合わず、この時期になってしまいました。
もう妊娠後期も間近です。
外来の助産師さんに案内され、入院病棟に上がっていきました。
すると、着いたとたんから大ショック!
スタッフさんどうしが仲悪いのが見てとれるんですよ。
私を連れて行ってくれた助産師さんに対して、入院病棟の看護師さんが
と、かなりケンカ腰で対応。
おそらく、今、分娩で使っている人がいるから、ということなのでしょうけれど、あいさつもなくそれですか???と怖くなりました。
(看護師さんと助産師さん、病棟内の仕事分担でどの病院でも難しそうだなあと分娩時の入院でも思いましたが。)
さらに、病棟の助産師さんと私の二人で見て回る中でも
とか
とか次々に強い口調で言われるのです。
私、新生児室に入りたいとは言っていませんし、個室を見て「ここは個室なんですね」って言っただけです。
さらには、「母乳が出るかなんて産むまで分からないんだから!」と突き放すように言われ、私、何か気に障ることでも言ったのかな?と不安になってきました。
忙しくて見学者が煩わしいのかな、とか、もともとこういう口調の人で悪気はないのかもな、と納得しようとしましたが、どうも落ち着きません。
だって、入院したら(おそらく)この看護師さんと顔を合わせることになるわけですから。
この看護師さんだけなのかもしれませんが、余裕のない様子が伝わってきます。
内科外科なども併設している総合病院だから、妊婦は優先順位が低いのかなあと感じました。
病室の配置も予想と違った
さらに決定的だったのは、病室の配置でした。
この病院では、基本的に新生児は新生児室に預かってもらうということを、このとき初めて知りました。
つまり、授乳時はスタッフがお母さんを呼びにいって、新生児室の端の授乳室で授乳することになります。
母子同室か、申請室での規則授乳か、産婦人科関係者の方の間でも賛否があるようですが、私としては第一子出産時は母子同室が希望でした。
(出産後、いろいろ調べるうちに、母子同室が最善ということはなく、新生児室に預かってもらえることは、母親を休ませるというメリットもあるのだと知りましたが・・・。)
でもさっき、個室は重症者が優先で、産婦は普通は入れませんって聞きました。
ということは、夫が生まれた子を抱っこできるのは、退院した後ということになってしまいます。
生まれてすぐは、夫が新生児室のガラスの外からしか赤ちゃんを見られないというのは、予想と違っていました。
カメラの好きな私は、夫が生まれたての赤ちゃんを抱っこしている写真を撮りたい・・・と思っていたのですが、それは無理ということになります。
さらに、他の科(内科・外科など)の患者さんとも同室になる(「混合病棟」と呼ばれるそうです)ということを説明されました。
この点についてはすごくびっくりしました。
大部屋では、内科や外科の患者さんもおり、迷惑になるので赤ちゃんを連れていけないっていうことのようです。
出産したら、同じ時期に出産したお母さんたちとワイワイやるイメージを持っていたのですが、そうじゃない病院もあるのか・・・。
内科ということは、感染症の患者さんとも同室になりうるわけで(もちろん病院としては配慮されるのでしょうけれど、近くにはいるわけで)、何となく不安な気持ちになりました。
「お産にこだわりなんてない。どんな病院でもいい」と思っていた私でしたが、それなりにこだわりがあったんだということに初めて気づきました。
というか、こういうこまごまとした希望をかなえてくれるのが、小規模でゴージャスな産婦人科で、だからこそ人気がある、ということなのでしょう。
あわてて転院先を探す
「この病院での出産はなんかイヤ!」
そう思った私は、見学後、周辺の産院に電話をかけまくりました。
反省点としては、病棟見学が遅すぎたということですね。
出産する産院は、一日も早く見学しておくべきだと思います。
さて、転院先を選んだポイントとしては、以下のとおりでした。
- 産婦人科のみで運営していること
- 入院中に夫が赤ちゃんを抱けること
- 値段は高くてもいい
「産婦人科のみで運営」については、他の科の患者さんと同室(混合病棟)はイヤだと思ったのが理由でした。
(ただ、大学病院や、大規模な総合病院では、産婦人科だけの病棟が準備されている場合が大半で、混合病棟というのは総合病院でもそれほど多くないというのをその後知りました。)
値段については、高ければ何か良いことがあるのかも?という根拠のない期待から予算をアップしました。
だって、転院前の病院の出産費用は45万円(都内最低レベル)なのに、高い病院では、70万円以上は当たり前。100万円なんて病院もあるんです。
(その後、第二子を安い公立病院で産み、高いことにはあまり意味はないと感じるようになったのですが、それは後で詳しくご説明します。)
ただ、妊娠27週ともなると、分娩予約に空きのある産婦人科って、電話しても、電話しても、本当に見つかりません。
「分娩制限のない産婦人科」の記事にあるような、大学病院や、大規模な総合病院なら受け入れ可能だったはずなのですが、「大学病院がイヤ」「混合病棟がイヤ」という理由で、候補から外してしまっていました。
ダメモトで、最初に妊娠検査を受けたゴージャスな産婦人科に電話してみました。
すると、偶然、直前にキャンセルが出たということで、空きがあったんです!
すぐに予約を入れ、見学に行きました。産婦人科単科、母子同室と、私の希望はすべて満たしていました。病棟も新しくて、前の病院と比較して見違えるようでした。
元の病院で転院手続きをするにあたっては、スムーズに紹介状をもらえたわけでもなかったのですが、なんとか転院することができました。
その後しばらくして、転院元の病院では職員が大量退職したというような噂も聞き、「ああ、やっぱりね」と思わないでもなかったです。
ゴージャス産院でのお産と反省点
結局、最初に受診したゴージャスな産院でのお産となった私。
担当医は、ベテランの男性医師で信頼できました。
前の病院では聞かれもしなかった、バースプランについての詳しい聞き取りもあり、希望することは基本的に何でもかなえてもらえる雰囲気でした。
院内の母親学級などもあり、週数の近い妊婦さんと知り合えたのも安心でした。
ですが、ちょっと違和感がなかったわけでもなかったんです。
それは、助産師さんが「トコちゃんベルト」や「キャベツ湿布」を勧めてくるところ。
トコちゃんベルトはその産婦人科から買ってもらいたかったようで、私が楽天で買ったというと、助産師さんに少しムっとされました。
「母乳育児を成功させるために」という病院オリジナルのレジュメをもらったのですが、そこにはキャベツ湿布をはじめとする民間療法がずらり。
「生クリームやバターは乳腺をつまらせます」ということも書かれていました。
当時は「お産の業界ってこういう雰囲気なのかな」と気にもとめなかったのですが、出産後、「産婦人科医ママと小児科医ママの らくちん授乳BOOK」という本を読み、こういった民間療法には医学的根拠がないということを知りました。
あとから考えると、母親学級で「自然なお産」を勧める助産師長さんと、「危険になったらすぐ会陰切開します、帝王切開もします」と話す産婦人科の先生の意見が対立しているのかな・・・と思わせられる場面もありました。
また、妊婦検診のとき病院の待合室のソファで、ゴキブリの幼虫を見つけたときには、がっかりしてしまいました。最近できたばかりの建物なのに・・・。
でも、人のいるところに虫はいるものだし、たまたま見つけてしまっただけだから、と気を取り直して通院を続けました。
ただ、施設の立派さと比較して、その中にいるスタッフの質はどうなのか・・・?と疑問を持ち始めるきっかけにはなりました。
ゴージャス産院も期待はずれ?
陣痛から入院へ
出産は、41w0d、陣痛からの緊急帝王切開となりました。
早朝に駆けつけてくださった担当の先生には感謝の気持ちでいっぱいです。
手術となったため、手術後の経過観察のため、個室入院を勧められました。
この産院では、大部屋より個室が人気ということで、空いていたのはなんと1日3万円の個室だけ!
本来はこういう場合、個室料を払わなくてもいいはずだと思うのですが・・・。
すさまじい陣痛と、手術直前のゴタゴタでそんなことを言う余裕もなく、個室入院が決まりました。
個室希望の場合は、出産費用が安い病院を選んだほうがよいということになると思います。
水回りが汚い!
入院はとても快適でした・・・と言いたいのですが、手術後9日という長期間入院していたこともあり、しばらくするとあちこちアラが目に付いてきました。
(文句ばっかり書いていて申し訳ありません。。。)
まず、水回りが汚いんですよね。
個室が洗面台付きだったのですが、排水溝の匂いが気になるんです。
あと、シャワールームの換気口を見上げると、びっしりと黒いホコリで目詰まりしていたのには引きました。
お掃除の方がいらっしゃったとき、思い切ってお願いしてみました。
翌日には看護助手さんが来て、掃除をしてくださったのですが、これって、私が言わなければ掃除してもらえず、定期的に掃除する体制にはなっていないってことですよね。
待合室にゴキブリが出たこととあわせ、「あ、そういうことね。設備は豪華でも、掃除は重視してないのね」とがっかりしつつ腑に落ちる感じがありました。
助産師さんにもがっかり
さらに、助産師さんにも「なんだかな~」と思わされることもありました。
深夜、点滴の液が血管外に漏れて、腫れてきたことがありました。
あわててナースコールしたのですが、いつまでたっても誰もきません。
痛くなってきたこともあり、追加でナースコールを押したらようやく、さきほど点滴を刺した助産師さんが来て、「切迫の妊婦さんの対応が優先ですから! 待っててください」と言われてそのまま行ってしまいました。
まあ、私は帝王切開後症状も落ち着いていますし、切迫早産の妊婦さんが優先なのは分かるので、おとなしく待つしかないのですが、痛いのは事実ですし・・・。
腫れがどんどん広がって、このままで大丈夫かな?でもナースコールを押したらまた怒られるかな?と迷っていたところ、担当ではない看護師さんが来て、針を刺しなおしてくれました。
その後、助産師さん同士の会話を漏れ聞いて、「切迫の妊婦さんの対応」というのも実はその助産師さんが、切迫の妊婦さんの点滴の針刺しを失敗してその対応をしていただけ、というのを知りました。
つまり、私の点滴を失敗した助産師さんは、あちらでもこちらでも針刺しを失敗をしていたということですね。
(「あの人、また失敗したらしいよ。あの人と一緒だと、フォローをしなくてはいけないから迷惑ー!」という、看護師さん同士の陰口で知りました。この陰口じたいも怖かったです。)
「お高い産婦人科なら助産師さんの技術も高い、というわけではないんだな」とふっと思いました。
(もっとも、点滴の針刺しなんて、助産師さんにとっては業務の一つに過ぎないので、これだけで助産師さんの技術が高いとか低いとか言うものではないとも思うのですが・・・)
義母にも不評
また、お見舞いにきてくれた義母も、この産婦人科の助産師さんにあまり良い印象を持たなかったということもあとから聞きました。
義母が一人で新生児室のガラスの外から赤ちゃんを見に行き、助産師さんに「〇〇ですが、どの赤ちゃんがうちの子でしょう?」と聞いたところ、「あの赤ちゃんですよ。ずーーっと泣いてるんですよ」とだけ答えられたらしいです。
うちの息子がかなり泣く子だったうえ、声も大きかったのは事実なのですが、「言い方ってもんがあるでしょ」というのが義母の意見。
ああいう時は、お世辞でも『元気でいいですね』とか言う場面だし、言えないなら何も言わなければいいのにねぇ
義母の意見はさておき、助産師さん全体に余裕のない感じは私もつねに感じており、あまり良い職場環境ではないのかもな?と感じました。
お産に豪華なサービスって必要?
また、この産婦人科の売りでもある、「豪華なサービス」も必要なのかどうか、疑問を感じるようになってきました。
食事はたしかに、病院食っぽくなく、きれいな陶器の食器に乗せられて運ばれてきます。
メニューもエビや牛肉がしょっちゅう出て、材料費はかなり高そう。
お祝い膳も超豪華で、5,000円追加すると夫も食べられるというものでした。
でも、このやりとりではっとしたんですよね。
私
夫
たしかに、お祝い膳がどれだけ豪華でも、病室まで運んでくる間に冷めてしまいます。
冷静に考えてみると、ちゃんとしたお店で5,000円払って食べる懐石料理やフレンチのコースと比較して、病院のお祝い膳のほうが美味しいってことはありません。
さらに、「アロマテラピー1回無料」というのもあったのですが、これって、見かけ上は無料でも、サービス料金が高い分娩料金の中に含まれているわけです。
私の場合、帝王切開だったので手術の傷が痛く、寝返りをうつだけで「うぉぉぉ」と声が出てしまうぐらいの状態だったのですが、指定された日が来たのでアロマテラピーを受けました。
うつぶせになって、傷跡をベッドに押し付けるなんて・・・。信じられない激痛でした。正直言って「アロマテラピーを断って、その分のお金を返してほしい」としか思えなかったのですが、そんな返金制度はないので、歯を食いしばりながらアロマテラピーを受けました。
そんなこともあって私は、「豪華な産院なんてお金のムダ。次に出産するときは、なんのオプションサービスもない病院を選ぶんだ」と心に決めていました。
産婦人科選び体験記(第二子)
私には公立病院が合うのでは?
その後転居し、第二子を妊娠しました。
出産する産院は、前回の失敗もあり、かなり慎重に選びたいと思いました。
おそらく、公立の総合病院が私の希望に合うのでは、と思っていました。
初診については、「妊娠したら初回の受診費用はいくらかかる?節約のコツを公開!」の記事にも書いたとおり、自分で妊娠検査薬を使った上で、分娩を扱っていない産婦人科に行きました。
かかった費用は3,010円でしたので、第一子の初診のときの8,000円とは大違いです!
その後、複数の病院に見学に行った結果、近隣の公立病院(出産費用45万円程度)を選びました。
その時見学に行った病院についての感想は以下の通りです。
病院下見1件目~有名病院だけど雰囲気が合わない~
東京を代表する産婦人科を持つ総合病院。
病院の雰囲気を知ろうと、妊娠前に二度ほどこの病院にかかってみました。
お産の料金は高め。スタッフさんの配置にも余裕が感じられました。
ただ、入院・受診している妊婦さんに外国人が目立ちます。もしかすると、半数近くが外国人かもしれません。看護師さんが患者さんに英語で話しかけていてびっくり!
外国人の方と入院中に同室だと、生活習慣の違いからストレスになるかもしれないなあと思い、この病院でのお産は見合わせることにしました。
(見舞い客が長居して大声で話す、というような場面をイメージしていました。ただ、実際にはこの病院はお産は完全個室だったようで、この心配はあてはまらなかったことになります。)
病院下見2件目~交通手段に不安~
近隣で一番分娩数が多い総合病院。母乳育児で定評があると聞きました。お産の料金は60万円台で、東京では高くも安くもないレベル。
基本的に母子同室。
「バターを利用したお菓子は乳腺が詰まるので差し入れ禁止」など、自然派の匂いがしたため、少し警戒しました。
また、出産費用の説明書に「お産を申し込んだ後、ご自身の希望で他の病院に転院した場合は、再びこの病院に戻ることはお断りします」という規定がありました。これまでにどういう出来事があってこんなに厳しいことを言うんだろう? 転院した人が救急搬送されたらどうなるんだろう?と、不安になりました。
電車で通うさいにラッシュと同じ方向になってしまうため、満員電車に乗るのは辛いだろうと考え、この病院でのお産は見合わせました。
病院下見3件目~ここでいい!~
地元の人にも「え?そんな病院あったっけ?」と言われるような公立の総合病院。お産の費用は45万円で東京都の最低レベルです。
ご近所の産婦人科の開業医の先生(分娩取り扱いはなく、この病院では産めなかったのです)が、私にとっては過去最高に信頼できる産婦人科医で、その先生の出身病院だったということで候補に挙がりました。
2件目の病院とは逆方向にあり、ラッシュ時でも電車がさほど混まないのがメリットだと思いました。(とはいっても、東京なので、空いているわけでもないんですけどね。)
病棟は古く、第一子妊娠の前半に通っていた病院を思い出しました。
赤ちゃんは新生児室に預けて、新生児室の脇の授乳室に決められた時間に授乳に通うという形式も同じでした。
ですが、混合病棟ではないということ、面会時間には病室に赤ちゃんを連れだせるということで、私の中のこだわりはクリアでした。
総合病院の産婦人科病棟では、感染症防止の観点から上の子の面会を許可していないところも多いのですが、この病院ではOKという点も助かりました。
また、「公立病院は看護師・助産師の待遇が良い」という噂を聞いたので、その噂に賭けて、この病院で出産することに決めました。
慎重に病院選びをしたわりには、決め手というほどのこともなく、結果的には、消去法でこの病院になった感じです。
公立病院での第二子出産は満点!
公立の総合病院でのお産となった私。
病院には、手術前日から入院し、8泊9日滞在しました。
滞在期間中、まったく不満はなく、「この病院を選んでよかった」と思うことばかりでした。
まず、入院日(手術前日)に、担当産婦人科医だけではなく、麻酔科医、栄養士、薬剤師が次々と病室に来て、それぞれの分野のアンケート(薬剤師なら「服用中の薬はあるか」「サプリメントは飲んでいるか」など)をとっていくんです。
これって、以前のゴージャスな病院では受けた記憶がありません。緊急手術だったからかな?とも思いましたが、そういう制度自体なかったと思います。事前に書類で出したかも?
でも、間違いがないように、担当者が顔を合わせて改めて確認するって大切なことですよね。
助産師さん、看護師さんもテキパキしています。
また、帝王切開手術後、麻酔針を腰に入れっぱなしにして産後の痛みをコントロールするという手法(エピドラ)がとられたのですが、それがすごく楽で、第一子出産のときとは大違いでした。
やはり、常勤麻酔科医のいる病院は違うんだなあと思いました。
その後、この病院では、麻酔科に定評があるということを、無痛分娩をされた産婦さんにも聞きました。
ただ、周囲の産婦さんと雑談していると、「食事がまずい」「建物が古くてイヤ」「安いから仕方ないよねー」という愚痴を耳にし、皆が私と同じ意見ではないよなあと感じました。
これ、実際にその病院で出た産後向け病院食です。
画像は昼食なのですが、朝食も夕食もこんな感じでした。まあ簡素なので、がっかりって方もおられるかもしれません。
「良い産婦人科」って、その人の価値観に左右されるものだなあと思いました。
まとめ~とにかく病棟見学は早めに!~
2回の出産から得た産婦人科選びの教訓としては、「病棟見学はとにかく早く!」ということですね。
妊婦検診だけでは見えてこない、その病院の雰囲気がよくわかります。
産院選びで迷われる方は、お体は大変かもしれませんが、ぜひ見学に早く行ってください! というのが私のおすすめです。
こちらの記事もご参考にどうぞ。
帝王切開でかかったお金~出産費用の明細を公開~ 東京23区内の出産できる病院・産婦人科の出産費用(もくじ)>>「妊娠したら初回の受診費用はいくらかかる?節約のコツを公開!」
こんにちは。3歳の女の子のママです。ぽむぽむさんの娘さんと同い年なのでずっと読ませていただいてます^ ^
私はぽむぽむさんの書かれているような「ゴージャスな産婦人科」に予約しました。すごく期待していたんですけど、妊娠9か月で切迫と診断され、そのまま大学病院に搬送されちゃいました。
ずっとそのことが残念だったんですけど、この記事を読ませていただいて、別にゴージャスな産婦人科じゃなくて良かったかなーなんて思えました。
アロマテラピーうちにもありましたが、帝王切開直後なんて無理ですよね!
これからもブログ楽しみにしています^ ^
トモエさま
コメントありがとうございます!同い年のお子さんがいらっしゃるんですね。
ゴージャスな産婦人科って、人気ありますよね。
途中で大学病院に搬送されちゃうこともあるんですか。せっかく予約できたのに残念でしたが、ゴージャスだから良いってこともなかったかもしれないです。
私としては、質素な公立病院がイチオシですし、切迫などでお子さんが心配な場合は、NICUなどがあるのが一番ですよね。
これからもどうぞよろしくお願いします。