「妊娠中にしておけばよかったこと」をネットで検索していて、「育児の百科」という本があることを知り、妊娠8か月頃に図書館で借りて読みました。
この本、出産前に読んでおいて、本当によかったと感謝しています。
なんだかいきなり気楽になった
松田道雄著「定本 育児の百科」(岩波文庫)はベテラン小児科医の書いた育児本です。初版は1967年。私たちの母親ぐらいの時代に書かれたもので、言い回しも古いし、現代の育児の常識とは合わないところもありました。
(生まれてすぐからビタミン剤を与える、など)
でも、育児についての心構えみたいなものは、いつの時代も変わらないはずで、「心配しすぎなくてよい」というメッセージでいっぱいで、読んですごく気が楽になりました。
「育児の百科」はこんな内容でした
「育児の百科」で私の心に残ったのは、例えばこんな内容です。
小食の赤ちゃんについて書かれた部分から引用します。
小食でふとらないのか、病気でふとらないのかは、初対面の保健師さんよりも、母親のほうがよく知っている。(中略)1回に120ミリリットル飲むことも、1回に180ミリリットル飲むことも、赤ちゃんの自由である。
『定本 育児の百科(上)』450ページより
母親が赤ちゃんのことを一番よく分かっているのだから自信を持って、ということを繰り返し書かれていて、ああなるほど、そういうものなのだなあと勇気づけられました。(関係ないですが、この口調って昭和っぽいですよね(笑))
こんなふうに書いている育児書って、ないじゃないですか。普通は、心配な場合は医師に相談を、とか細かいことばかり書かれていて、読めば読むほど不安になります。
でも、赤ちゃんの大半は健康に生まれ、健康に育っていくもの。ふだんはどっしりかまえていたら大丈夫。そんなメッセージを伝える育児書を読んだのはこれが初めてでした。
次に、泣き止まず、母親を困らせる赤ちゃんについて書いた部分。
だが一生泣いている人はいない。きっとなおると楽観していい。
『定本 育児の百科(上)』450ページより
これを読んだときは、目が点でしたが、「これぐらい肩の力を抜いていいのか」と育児への不安が急に減った気がしました。
その他にも、赤ちゃんに最適な室内温度について「寒ければ寒くていい。人生四季ありて楽し、だ。」と書いて神経質な室温調節を笑い飛ばしたり、「0歳後半まで普通は赤ちゃんは風邪ひとつひかないものだ」とか、「子どもを三人育てた母親は医学博士レベルの知識がある」とか、その後の育児の支えになる格言でいっぱいでした。
もちろん内容としては、気楽なことばかりではなく、赤ちゃんの誤飲事故のことや、離乳食の食中毒防止など、具体例を挙げながら説明する項目もあり、育児する上での注意事項もちゃんと載っています。
でも、著者が伝えたかった一番のメッセージは「自信を持って子育てして大丈夫」ということなのだと思います。
出産前まで夫と一緒に拾い読みして、あまりの割り切りっぷりに大笑いしていました。
岩波文庫として、ずっと絶版にならずに読まれ続けているのは、それだけの価値があるからだと思います。
でも、産後数か月は、この本を読む時間も心の余裕もありませんでした。出産前に読むことができてよかったなあと思います。
図書館に必ずあります
「育児の百科」は有名な本なので、図書館には必ずあると思います。
また、ご実家に聞いてみると、お母さんがお持ちの可能性大です。私の場合、姑の本棚にあり、貸してもらいました。
上中下三巻セットなので、かなりボリュームがあり、読み通すのは少しきつい気がします。私は上巻だけしか読んでいませんが、上巻をぱらぱら読むだけでも十分だと思います。
育児ってこれぐらい気楽で大丈夫、そういう自信のつく本です。ご興味のある方はぜひ手に取ってみてください。
そのほか、妊娠中にやっておいてよかったことはこちら。
出産前にしておくことリスト~やっておけばよかったこと100~
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