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産後ケア入院体験記~初日は少し心細かった~

出産後、産婦人科を退院し、産後ケア入院(産褥入院)した日の体験談です。

自宅からタクシーで助産院へ

タクシー

産後ケア入院の荷物

自宅での授乳が終わり、荷造りも完了したところでタクシーで助産院に向かいました。

荷物は・・・

  • 中型キャリーケース
  • 大きな手提げ(100円ショップで売っている不織布のもの)
  • 普段使いのトートバッグ

計3個。けっこうな量でした。

出産したときの荷物から、汚れ物を出して洗濯機を回し、準備していたお菓子、着替えなどを入れました。

私がおくるみでくるんだ息子を抱っこし、夫が荷物三つを運んでくれました。

タクシーの中では、息子は最初寝ていましたが、途中で起きてふにゃふにゃ言いはじめ、慌てました。

(今思えば、タクシーなんだから誰に迷惑ということもなく、慌てる必要はなかったんですが・・・。)

移動がタクシーがおすすめの理由

産後ケア入院される方は、自家用車がないと、入院時はタクシーにするか、電車にするか迷われると思いますが、絶対にタクシーが良いと思います。

生後数日で、まだ赤ちゃんに慣れていない状態で電車に乗るのは大変です。

おくるみで抱っこしていると、両手があかないので、改札に切符を通せる気がしません。

体験されたら、移動のタクシーに1万~2万かかったとしても全然惜しくないと感じられるんじゃないかと私は思います。

反省点としては、授乳ケープを買っておけばよかったということでしょうか。

授乳ケープがあれば、タクシーで授乳してしまえばいいので、自宅で時間を使わず、さっと助産院まで移動できたんですよね。

自宅に取りに戻るものがないのなら、産婦人科から産後ケア施設まで、タクシーで直行するのが一番ラクだと思います。

私の反省点
タクシー移動中に授乳できるよう、授乳ケープを準備しておけばよかった。

助産院に到着

15時の時計

15時到着でも昼食が出た

助産院に到着したときには15時を過ぎていました。

見学のときにいらっしゃった院長先生が出てきて、個室に通され、問診票のようなものを渡されました。

そして、紙おむつの袋とおしりふきを渡され、「なくなったら言ってくださいね」とのこと。

6畳ほどの和室で、布団とベビーベッドとちゃぶ台が。ポットに湯飲みが二つあり、「ルイボスティーが入っています」とのこと。ほっと落ち着きました。

そして、昼食も出てきました!

空腹すぎてふらふらだったので、すごくうれしかったです。

(ただ、1食しか頼んでいなかったので夫の昼食がなく・・・。頼めたようなので、お願いすればよかったです。)

私は助産院のお昼ご飯を、夫は私のおやつのクラッカーを食べました。

私の反省点
昼食注文や、コンビニ位置確認など、夫の昼ごはんにも気を配ってあげたらよかった。

助産師さんは「では、赤ちゃんの体調を見ますね~」と息子を抱っこして出ていかれました。

息子は身長、体重、黄疸の数値などをチェックされたようです。

「健康ですが、黄疸の数値が少し高いですね。これからも毎日チェックしますね」と言っていただき、安心しました。

助産院内を見学

ウォーターサーバー

ご飯を食べ、問診票も記入し、部屋に息子と夫を残して助産師さんの控室に持っていきました。

この助産院はワンフロアで、玄関を入ってすぐガラス張りの助産師さんの控室があり、パソコン、電話、机、書類用の本棚、仮眠用ソファなどが置かれています。

この日は助産院には院長先生とサブの助産師さん(お産がたてこんだときに呼ばれるパートの助産師です、とおっしゃっていました)がいらっしゃっいました。

私の担当をしてくださったのはサブのほうの助産師さんでした。

「では、助産院の中の案内をしますね」と言われ、まずはトイレとシャワー室へ。

「トイレはここに二つあります。シャワーはいつでも使えるので、予約のホワイトボードに名前を書いてくださいね」

シャワーはお湯が出るまで少し時間がかかるので、何十秒か流しっぱなしにしてください、というような説明を受けました。

さらに、共用のダイニングルームの説明。

10畳ぐらいのスペースに、大きなダイニングテーブルが置かれ、それを囲むように8つぐらいの椅子がありました。

「ごはんのときは、こちらを使っていただいても、個室で召し上がっていただいても大丈夫です」とのこと。

さらに、共用スペースの隅に、ウォーターサーバーと共用の冷蔵庫もありました。

「これが共用の冷蔵庫なので、マジックで名前を書いて入れてくださいね」

助産院の中のことがわかり、ずいぶん過ごしやすそうに感じられてほっとしました。

助産師さんの問診(初日)

血圧測定

その後、助産師さんの診察を受けました。

妊婦健診室みたいなところで、ベッドに横になるよう指示されました。

まずは血圧測定。

そして、「子宮の戻りを見ますね~」と下腹部を何度か押して診察なさっていました。

あとは、おっぱいの状態もありました。

私はおっぱいの張りが強く、カチカチで痛みがひどいことを伝えました。

「マッサージしたほうがいいかもしれないですね~」とのことで、院長先生に伝えておきますね、と言われました。
(助産師さん同士って「先生」って呼び合うんですね。びっくりしました。)

心配なことはないですか、わからないことはないですか、など聞かれて、10分ほどで終了。

個室に戻ると、息子と一緒に夫も眠ってしまっていました。

陣痛にも出産にも付き合ってくれた夫は、出産の興奮もあり、出産以来9日間、よく眠れていないようでした。

契約社員なので、年度末は、契約更新されるかどうかものすごいストレスも感じていたと思います。

疲れているのは私だけじゃないなあ、と思いました。

お産の妊婦さんが優先! 何もないまま夕方に

17時の時計

助産師さんの検診後は、何があるのかな?と待っていたのですが、助産師さんからは特に何もなく、18時前になりました。

あとから知ったのですが、実はこの日、お産の妊婦さんが陣痛で入院していて、助産院は大忙しだったのです。

そういえば、入った瞬間から、NST(赤ちゃんの心拍とお母さんのおなかの張りを監視する装置)の音がピコピコとずっと聞こえていました。

授乳を1回し、おむつ替えなんかをしつつ、横になったり座ったりして待っていましたが、その後助産師さんが来てくださることもなく・・・。

昼寝から覚めた夫には17時頃帰宅してもらい、晩御飯は何時かな~と思いつつ、横になってぼんやりしていました。

産褥入院利用者として思うこと」の記事にも書きましたが、助産院はお産が最優先の雰囲気です。

少し心細かったですが、お産と産褥入院が重なるとこういうこともあるのだ、ということなのだと思います。

夜勤の助産師さんに変わって状況が一変!

18時の時計

夕食・夜勤の助産師さんが洗濯も

18時頃、ドアがノックされ、また別の助産師さんが入ってこられました。

「夜勤の助産師の〇〇です。よろしくお願いします」

夜勤の助産師さんが、晩御飯を運んできてくださったんです。

産後ケア入院の夕食

小鉢がいくつもある豪華な夕食! 家庭の味の晩御飯は嬉しかったです。

そして、「夜の間に洗濯しますから、洗濯ものはここに」とレジ袋を渡してくださいました。

産褥入院見学のときの記事にも書きましたが、私は、「洗濯してもらえること」を重視して助産院を選びました。

洗濯物は家族に運んでもらってください、とか、コインランドリーで自分で、という助産院も中にはあるんですよね。

それをパスしたいから産褥入院を選んでいるわけで・・・。

洗濯は、産婦人科入院中の9日間、手洗いしかできず困っていたので、洗濯をお願いできて本当に助かりました。

この助産院では、夜勤の助産師さんが

  • 夕食の仕上げ・盛り付け(調理は調理スタッフさんが午前中に)
  • 夕食の片づけ
  • 洗濯

をされているようでした。

はじめての授乳指導

授乳クッション

夜勤の助産師さんは何度も部屋に来てくださいました。

そのときは知らなかったのですが、陣痛が始まって入院していた方のお産が長引き、助産院では出産できない状況となったので、病院に搬送されていたのです。
(助産院長の助産師さんはこの方に付き添って病院に行かれたようです。)

この日は他の利用者は、1週間前から産後ケア入院されている方と、私の二人だけ。

そのため、ゆっくり対応できる状態になったようでした。

8時頃、赤ちゃんが泣いたので授乳を始めると、ノックの音がして助産師さんが入ってこられました。

「廊下で泣き声が聞こえたから見にきたんですよ。授乳はじめたばかり? ちょっと一緒に見てますね」

私が布団の上で、横座りをして授乳しているのに向かい合って助産師さんが正座して座りました。

そして、「あら~、よく飲むのね、上手ね」など声をかけつつ、飲ませ方のアドバイスをしてくださいました。

まず「ずっと腕の力で赤ちゃんを支えていては腱鞘炎になるので、もっと毛布を敷いてね」と毛布をたたんで赤ちゃんのお尻の下に入れてくれました。

さらに、乳腺が張って乳房の中にピンポン玉が入っているような状態なのを指で押して確認して、「今、フットボール抱きに変えるとちょうど良いかもしれないわね」と授乳の方向を変えてくれたり・・・。

30分ほどの授乳の最後まで付き合ってくださって、「母乳を吐いたとき詰まらないように、横向きに寝かせてね」と、C型の授乳クッションを使って、赤ちゃんを横向きに寝かせる方法を教えてくださったりもしました。

産婦人科では、ずっと上向きに寝かせていて、そういうものだと思っていたのですが、そういうやり方もあるのかと勉強になりました。

私の出産した産婦人科は、「母乳育児に手厚い」というのが売りで、授乳開始すぐは2度だけ、助産師さんが自室まで来て授乳指導してくださいました。

(授乳室での定時の授乳指導という病院もある中で、この体制は「授乳指導に手厚い」というのに間違いはないかなと思います。)

ただ、助産師さんはつねに忙しそうで、授乳の最初から最後まで立ち会ってくださったことはなく、うまく吸えているのを確認すると、「じゃあ!」と言って出ていってしまわれることがほとんどでした。

産後ケア入院してはじめて、赤ちゃんの扱いを手取り足取り教えてもらえて、育児の緊張が薄まった気がします。

助産師は赤ちゃんの気持ちが分かる?

初日の夜、眠れずにいると、22時頃にも助産師さんは来てくださいました。

胸が痛いことを伝えると、「乳腺がずいぶん張っているみたいね」と言われました。

布団に横になっておっぱいの状態を見てもらっていると、少し離れて寝ていた息子がふにゃふにゃ泣きそうな声を出しました。

私が慌てて起き上がり、息子のほうに行こうとしたのですが、助産師さんは落ち着いて「ああ、お母さんを探しているのね。名前を呼んであげて」とおっしゃるのです。

それで私は横になったまま「Kくん!」と息子の名前を呼んでみました。

そうしたら・・・びっくり!
ぴたっと泣き止んだんです。

このとき、「助産師さんは、新生児の気持ちの分かるプロなんだなあ。すごいなあ」と実感しました。

産婦人科では完全放置だった私

病院イメージ画像

私は都内の私立病院の産婦人科で出産しました。

わりとお高い病院だったのですが、8泊9日の入院の間、助産師さんにこんなふうに見てもらったことはありませんでした。

(その後、いくつかの病院の出産費用を調べて、病院の出産費用の高さと、ケアの手厚さにはまったく関係はない気がしています。あれはお料理と設備のお値段ですね。)

陣痛後、緊急帝王切開となったため、手術日とその翌日は、点滴の交換や、トイレへの付き添い、痛み止めの処方のために、助産師さんが何度も病室を出入りしていました。

でも、点滴がとれて、一人でトイレに行けるようになってからは、まったくといっていいほど助産師さんが部屋に来てくれませんでした。

母子同室の産院だったため、個室に赤ちゃんと二人・・・という状況。

助産師さんの側からみると、私は母乳はよく出るし、赤ちゃんはよく眠るし、ケアの必要がなかったのでしょう。

出産の4日後ぐらいから、助産師さんの顔を見るのは食事の配膳と朝の血圧測定ぐらい。

疑問があってナースコールしても、助産師さんがなかなか来ないし「授乳で血豆ができて痛いんです」と言っても、「あら~、こんなに母乳出てるじゃない!よかったわね!」みたいな受け答えだし、呼ぶことすらなんだか面倒な気分になってきたのです。

母乳の出の悪い人たちは、マッサージを受けたり、つきっきりで授乳指導を受けたりしていたのですが・・・。

産婦人科での入院期間中はそんな感じで、「助産師って何だろう? 看護師と同じ?」などなど疑問に思いつつ過ごしていました。

そのため、助産院に産後ケア入院してはじめて「助産師さんは母乳と新生児のプロなんだ! すごい!」と、助産師さんの実力(?)に触れた気がします。

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